葉巻きタバコ

葉巻きタバコ(はまきたばこ)はタバコの形態の一種。単に「葉巻」と呼称されることが多い。

概説

葉巻タバコはタバコの葉を筒状に巻いたものである。たばこ加工技術としては最古の部類である。通常、刻みタバコのように葉を細断せず一枚のタバコの葉を巻いたもので、紙巻きタバコのように紙で包まず、フィルターも用いない。また一部のパイプタバコのように香料をつける「着香」はドライシガー以外では基本的に行われない。燃焼時間は標準サイズのプレミアムシガーでおおよそ1時間〜1時間30分である。

葉巻きに使用されるタバコ葉は熱帯地域を中心に生産されており、有名なのはキューバ(ハバナ葉)、ドミニカ共和国、フィリピン(マニラ葉)など。他にも、アメリカ合衆国(コネチカット葉、フロリダ葉)、ホンジュラス、ニカラグア、インドネシア(ジャワ葉、スマトラ葉)などの葉がある。

種類

葉巻は、保管に湿度管理を必要とする「プレミアムシガー」と、その必要がない「ドライシガー」に大別される。同一ブランドであればプレミアムはドライより高価。また、プレミアムシガーの中でも機械巻きのマシンメイドシガーに対して、職人が1本1本手巻きするハンドメイドシガーがより高級とされる。

プレミアムシガーと一部のドライシガーの葉巻きは吸い口部分がラッパーと呼ぶタバコ葉で閉じられており、吸う前に穴をあける必要がある。吸い口を作るために葉巻の端を切る専用の鋏やシガーカッターが喫煙具として市販されている。あらかじめ吸い口があけられた葉巻の中でも紙巻タバコと同様のサイズのものをミニシガーやシガリロ(cigarillo)と呼ぶ。ただしシガリロの称範囲は非常に広く、ドライシガー全般や葉巻葉を混ぜ込んだ紙巻きタバコまでを含めることもある。

構造

葉巻は、内側に詰められるフィラー(Filler てん充葉)と呼ばれる葉と、フィラーをまとめるバインダー(Binder 中巻葉、省かれているものもある)と呼ばれる葉、そして外側を巻くラッパー(Wrapper 上巻き葉)と呼ばれる葉で構成される。いずれもタバコの葉だが、産地、栽培方法、熟成方法がそれぞれ異なる場合が多い。

紙巻タバコと同じように細かく刻んだ葉をフィラーに使うものを「ショートフィラータイプ」、刻まない一枚(もしくはそれ以上)の葉をフィラーにしたものを「ロングフィラータイプ」と呼ぶ。特殊な例としてはミドルフィラーと呼ばれるラッパーの検品で弾かれた製品を再度まき直した葉巻も存在する。一般にドライシガーは大半がショートフィラー・マシンメイドである。

シガーラベルとバンド

葉巻ブランドごとに特色のある、シガーラベルとシガーバンドがある。

「シガーラベル」とは葉巻を封入した箱の裏蓋に貼付された約15×22センチの紙である。当初は簡単な図柄だったが、模造品対策からキューバシガーはシガーラベルを20色もの多色刷り石版印刷や箔押し加工が行われていた。1920年代以降は写真製版印刷のラベルが用いられている。古いラベルは美術的な評価が高く、現在では石版印刷の再現が難しいことから骨董品としても珍重されている。

「シガーバンド」は葉巻1つ1つに巻かれている帯で、葉巻のブランドの判る図版が組み込まれている。バンドの本来の目的は、白い手袋や素手がヤニで黄ばむことを避けるためだったが、近年は添付されないシガーもある。なお、喫煙の際にはバンドが添付している物は無理に外すと葉巻きを痛める恐れがあるため、燃焼が進んで糊が柔らかくなってから剥がすことが推奨される。

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吸い方・楽しみ方

本来、葉巻は嗜好品である以上、各々が好きなスタイルで楽しめば良い。そもそもルールや決まりごとは存在しないが、一般的な吸い方やノウハウは以下の通りである。

喫煙方法

  • 葉巻の片方の端のキャップをカッターや鋏などで三分の一ほど切り落とし吸い口を作る。
  • ガスライターか葉巻専用マッチ、シダ片(シガーケースの内張りに用いる木片)などで火をつける。オイルライターや市販のマッチはオイルや硫黄の臭いが強いため用いない。
  • 炎を葉巻に直接当てない。ラッパーを黒く焦がさないように注意する。
  • 紙巻タバコのように吸い口から吸引せずに火だけで着火する。
  • 吸引する際、煙を肺まで入れずに普段の呼吸と同じ程度のスピードでゆっくりと「吹かす」。
  • 灰はラジエターの役割をするため可能な限り落とさない。
  • プレミアムシガーは吸引しないと火が自然に消えるので、中断する際は揉み消さずに灰皿に置く。
  • 一度消えた葉巻に着火した場合一旦吹き出して中の煙を追い出す。灰をしっかりと落としてから再着火すると火が点きやすい。

葉巻愛好家は主にその香りや複雑な味を楽しむために喫煙をする人が多く、葉巻の銘柄によっても様々な味の違いが存在する。同じブランドの同じ葉巻においても喫煙時の精神状態や喫煙方法の差や葉巻の個体差により全く同一の味になることはほぼ無く、味が毎回異なることも愛好家が好む要素の一つとなっている。

また、酒と合わせて楽しむ場合もあり、スコッチやバーボン・ウイスキーなどのウィスキー、コニャック、アルマニャック、カルヴァドスなどのブランデー、ラムなどとの組み合わせは比較的好まれる。

注意点(葉巻に独特な喫煙マナー)

葉巻は独特のにおいを紫煙とともに発することから、紙巻タバコの喫煙者でも葉巻のにおいを忌避する人もいるために喫煙時は配慮が必要である。煙草の喫煙が許されている飲食店などでも葉巻やパイプを吸う際は店員などに許可をとるのが望ましい。このため、葉巻を楽しむための飲食店(シガーバー)なども存在する。

灰皿に落下した葉巻の灰は、出来るだけ原型を崩さないことが望ましい。葉巻の灰は紙巻タバコの灰に比べてにおいが強く、灰を潰すとそのにおいが拡散して、周囲の人に不要な不快感を与えることがあるからである。したがって、紙巻タバコのような揉み消すという行為は避けるべきで、消火は放置による自然消火を待つのが望ましい。